先日開催されたイベント「朝宮あかりナイト」について書こうと思い、約二年半ぶりのブログ。このペースで投稿していけば人生でなんと20タイトルぐらいは書けそうです。
朝宮あかりナイト
さて、去る2018年8月18日(土)に「朝宮あかりナイト」というミニイベントが開催されました。これは春日井商工会議所青年部という組織内の一委員会が有志事業として取り組んだ物。今回柄にもなくその実行委員長を務めさせてもらいました。
そもそもの活動テーマは春日井市の”地域資源の有効活用”です。
その背景としては少子高齢化、地域や行政の衰退、地元商圏の維持などなど、、どの地域でも今後リアルに抱えていく問題ですね、詳細は割愛しますが春日井市の人口が今年の4月に減少に転じたことはやっぱりそこらへんの諸問題をもうひと段階リアルに感じざるを得ない切欠でした。
総務省の予想より2年早いタイミングで人口減少が始まった事になります。
活動の切り口としては既存の”もったいない”地域資源を3つピックアップして働きかけていこう、という物。
その3つとは《朝宮公園とケローナ通り》・《JR勝川駅高架下》・《グルッポふじとうを中心とする高蔵寺エリア》です。
許可関係などトータルな進捗状況から《朝宮公園とケローナ通り》が一発目の対象地となりました。
朝宮公園は春日井西部に位置する面積12.5haの都市公園、ケローナ通りは朝宮公園の西に伸びる約350mの並木道で、カナダのケローナ市と姉妹都市提携をした際に記念して作られました
どちらもとても緑が多くコレまでも十分に市民に親しまれてきました。特に朝宮公園からケローナ通りを向いて眺める夕日が美しいです。
この場所をもっと幅広く活用できないか?
”想像以上にいろんな事に活用できるよ”という事と”実際に人が集まるよ”という事を実証して多くの人に気づいてもらう。という目的でスタートしました。
その目的が達成されるのであれば極端な事を言えばコンテンツは何でもよく、屋台村でもクラフトマルシェでも大芋煮会でもアイドル握手会でも秋刀魚祭りでもなんでもよかったわけですが、最終的にイルミネーションとキャンドルイベントをドッキングさせたコンテンツというアイデアに落ち着きました。
ポイントとしては、
・感度の高い(表現古いけど)若い世代、ファミリー層にアピールできること。
・小さな子供さんも参加できること。
・並木を効果的に利用できること。
・SNS映えし、意外性、拡散性があること。
・お金を出して買ったり食べたりが主では無く、時間と空間を楽しんでもらえるようなイベント(ってのをやってみたかった)。
・低予算で可能であること。
といった感じです。
イルミネーションもキャンドルもそれぞれ定番のコンテンツですがそれをドッキングさせて「あかり」をテーマにしたイベントは他に無い(んじゃないかな)と思います。
また、ケローナ通り西端にあった飲食店で3年前に発生した事件はこの地域に暗い影を落とし、まだその記憶を引きずっているような気がします。
現在は葬儀場が建設中であり悲しいことに反対運動も小規模ですが起きています。そんな地域を文字通り「明るく照らす」という影のテーマもあります。
(当日ドローンから撮影)
そして、今回は資金的な援助が全く無い中でのスタートだったのでそれをどうするか??
クラウドファンディングへの挑戦
これは素直に今流行のクラウドファンディングを採用。
小口(3,000円〜)で地域の方も寄付に参加してもらえる事が普段の企業協賛とは違ってより幅広い人を巻き込める事、クラウドファンディングを行っている事自体が宣伝につながる事など今回の企画にピッタリだったとおもいます。
みんなでつくる『朝宮あかりナイト』!キャンドルであかりを灯そう - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
そんなわけで平たく言えば泣く子も黙る”地域活性!”なわけですが、
”地域活性” ≠ ”単なる地域イベント”
イコールじゃなくノットイコールです
という事を念頭に置きつつスタートしました。(つもりです)
イベントはとても楽しいんですが今回に関しては継続的な”イベント屋”に成るわけにはいきません。
商工会議所青年部っていう組織力と信頼力があれば継続イベントとする事も可能だと思います。そもそも青年部だから使用許可が下りる、市の後援も受けられるという背景がありますがそうでは無くて、長期的な目標自体はこれをきっかけとして
・地域の可能性に期待をする人が増える事。
・”次は私達が別の事に使ってみたい!”、”何か仕掛けたい!”という人が出現する事。行政がそれを許可する制度ができること。将来的に民間への開放。
・他の地域資源でも同じ様な動きが発生する事。
なんて事になってほしいわけです。
そういった意味で
・朝宮公園が平成33年度以降大規模リニューアルされる事をアピールすること。
も大きな目的でした。
(当日会場で流したスライドショーより)
せっかくマアマアな税金を投入して行われる施策なのにワクワクするような告知がなされていませんでした。
リニューアルされるというニュースを使って今後3年間のうちに地域にワクワク感とファンを増やす事、『いつの間にかリニューアルされてた』のでは無くて、地域の希望、こんな風に使ってみたいという希望が何かしら反映されたリニューアルが実行される事につながっていけばいいな、と。
(現在のリニューアル計画の一部 スライドショーより)
なぜ真夏にイルミネーションなのか?
イルミネーションというと一般的には冬のクリスマスイルミネーションが思い浮かびますが、最近ではキャンプやグランピングなど真夏の演出要素として使われています。
そんなイメージがリニューアル後の朝宮公園(まだ案としてBBQスペースが設置されるってのがあるわけでは無いけど)のイメージに繋がっていけば面白いな、と。
さらにそのイルミネーションがふれあい緑道の方まで繋がると、ケローナ通り〜朝宮公園〜ふれあい緑道〜落合公園までのあかりラインが繋がる!
なんてちょっと眉唾ストーリーもあったりなかったり。
(この光が常設になりあちこちに繋がっていく?)
ちなみに朝宮公園は平成29年度に運営が県から市へ移管されています。プール、運動場を備え自然豊かな公園として長い間市民に親しまれて来ましたが、さらに大規模リニューアルが計画されています。
平成33年:東尾張初の陸連公認トラック付き多目的総合運動広場オープン。
平成34年:遊具広場などがオープン。
そしてスピンオフ企画としてはグラフィックデザイナーさんの発案で
「地域を巻き込むイベントなら広報物づくりから巻き込めないか?」
という事でチラシワークショップを開催しました。
子供たちに『朝宮あかりナイト』のモチーフである光、並木などを思い思いに描いてもらいました。なぜか魚とか謎の生き物とかも描かれてとても楽しかったです。
そうしてできたビジュアルパーツを使って仕上がってきたチラシがこちら
ワクワクしますね。
公共の広報物やWEBなどもデザイン性をもっともっと高めないと駄目ですよね。
ただ発行してるだけ、という無意味な広報物がどれほど氾濫しているか。。。この国?はデザイン行為に対する対価、考え方が恐ろしく低く、いつぞやは大阪市のどこかの区が無償でグラフィックデザイナーを募集しようとして炎上してましたね、まったく何考えてんだかひじょうし、、(ブツブツ。。。)
そしてとても嬉しかったのは中部大学国際関係学部の羽後教授はじめゼミ生の方々が合流してくれた事!
元々ケローナ市との交流がある研究室であり、このイベントを知った教授が自ら連絡を下さいました。設営から当日まで本当に頑張ってくれました、ナイス中部大生。
(中部大学 国際関係学部 羽後ゼミのみなさん)
さて、そんなわけでワクワクしながらスタートしたこのプロジェクトは無事クラウドファンディングの目標金額120万円をギリ達成!
ミニイベントと思って高を括っていた準備は結構大変で、IKEAに冗談みたいな量のキャンドルを買いにいったり、それをガラスカップにいれたり、脚立によじ登ってイルミネーションを付けたり、、、
(麻雀やってるみたい)
とても疲れました。
幸運だったのは天候に恵まれた事。なので現場での設営準備は8/11、17、18当日の実質三日間で済みました。
さて当日、これまたいい天気!しかも40度超えもあった今年の異常気象も一段落しこの日の最高気温33度ぐらい!これまでの人生の雨男レッテルは文字通り濡れ衣だったのか。
しかも風が吹いて気持ちよい!風が吹く、、?
風が吹く → ろうそく消える
どれぐらいの風で火が消えるか実験したつもりでしたが消える消える。。
イベントスタート1時間前から付け始めましたが、ずっと消えては付け直しの繰り返し、ガラスカップを被せて風よけにしたり、と涙ぐましい努力を皆でやりました。
ところが風がちょっと収まったのか、人だかりが風除けになったのか朝宮公園のキャンドルはまあまあ落ち着いた状態になりました。
ずっと下を向いて火を点ける作業をしていたので気が付きませんでしたがスタート30分前ぐらいからドッと人が増えた印象でした。嬉しかったですね。
それでもケローナ通り側ではずっと火が消える問題と戦っていたようです。
18:30 イベントスタート!
点灯式ではクラウドファンディングに参加していただいた方から抽選で5名に参加してもらいました。カウントダウン合図で点灯レバーを倒すとそれにあわせて熟練の職人が発電機にコンセントを指しイルミネーション点灯!
(点灯式の様子)
(司会の二人)
当日はイルミネイテッドヤギもいました。(協力:にこにこ造園さん)
屋台はジェルネイル体験(ブランシェ様)、お菓子(モンパパ様)、ドリンク類(酒のうかい様)、かき氷・けずりイチゴ(氷屋川久様)に参加していただきました。おやつとごはんnicoさんはこの日だけ夜間特別営業をしてもらいました。
どの店も盛況!お疲れ様でした。
もう一つ大事な事、
朝宮公園リニューアルをプロモーションするスライドショーをずっと流し続けました。
このスライドを切欠に市民の方と朝宮公園リニューアルについて雑談する機会がうまれました。全然知らなかったという人や、せっかくだからBBQスペースや飲食店があるべきだよねー、なんていう声を聴くことができました。
(こういう市民の声は聞かなきゃだめですよね!)
楽しく美しい2時間はあっという間に終了。
最後はスタッフでバサバサと団扇でろうそくを消してまわり消灯式としました。
火を使う事もあり心配事が多くありましたが幸い大きなトラブル報告は無く終える事ができました。
その後すぐ撤収作業!
約半年間メンバーと一緒に企画準備、設営してきました、このたった2時間のために。
その全てをすぐ撤収しなければならない、という儚さ。なんとも言えない疲れがドッと出てきました。
でも翌日早朝明には再度現場チェック。拾い忘れのゴミや地面に垂れたロウを撤去しましたよ。
イベント後、様々な反響がありました。
オレンジの光、園内彩る 春日井で「朝宮あかりナイト」:愛知:中日新聞(CHUNICHI Web)
ぜひ2回目もやってね!という声も沢山いただきました。
大変うれしく思いますが今の所、来年(二回目)以降の予定は白紙なのです。
私も2回目があったら是非参加してテントのなかでずーっとダラダラ2時間過ごしてみたいです。
不思議に思われるかもしれませんが今年産まれたこの「朝宮あかりナイト」を今後どうしていくか?を協議しています。
今年はたまたま「商工会議所青年部という組織」だったので使用許可、市の後援が得られました。ですが今後同じような組織でずっと定期開催していく事は長期目標である「民間への開放・広い意味での地域資源の活用」に繋がりません。
地元民間人の有志グループがイベントを引き継ぐ、または別イベント思いついたからケローナ通りを使わせてよ!という動きになったり、できるだけ組織から民間へ活動主体が移行することが正しい着地点と思っており、そのための今後2,3年どう動けばよいか悩み中、というのが正直なところです。
(点灯試験時の様子)
将来的には極端な事を言うとA4サイズの”使用申し込み用紙”なんてペラ1枚を提出すれば市民誰でも使える、キッチンカー入れて商売したり、主婦グループで女性BBQパーティしたり、青空ヨガ教室やったり、VRで戦闘ごっこやったり、なんて事が実現するべきだと思うんですけどね。
もちろん多少の使用料は払ってもらって。毎週何か違う催し物が行われる。
そんな地域資源になってほしいです。
というわけでこの「朝宮あかりナイト」第一回目は終了しましたが、どう着地させるべきかモヤモヤとしていて皆さんの知恵をお借りしたいところです。
イベント自体が継続されるのであれば毎年開催では無くビエンナーレ(2年に1回)、トリエンナーレ(3年に1回)形式なんてのもアリだななんて思ったり。
はたまた蝋燭の火のようにこのまま儚く消えていくのか。。。
とりあえずここまで。
また書きます。
ここまで長文読んで頂きありがとうございました。
2018.9.1
井村正和