こんばんわ
1/14のエントリーで窓、窓辺の空間について少し書きましたが今日はそんな窓ネタの第2段です。
まずはとても素敵な本の紹介になります。
「Window Scape 窓のふるまい学」という東工大の塚本先生が書かれた本です。世界中のいろんな窓辺の空間をリサーチして1つ1つ写真と立体的なスケッチで表現されています。
https://x.gd/ZFPS1 (←amazonのサイト)
本の紹介文より〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「窓はふるまい(behavior)に満ちている。光、風、熱などの自然を引き寄せ、人々を呼び寄せ、憩いと潤いと安息をあたえる。文化、都市そして社会を生成させる「ふるまい」そのものなのだ。窓とは、たゆたう時間の堆積の中で、人間の生を位置づけるものとも言えるだろう。
しかし近代以降、大量生産のもとにその可能性が閉じられ、「ふるまい」の豊かさが失われてしまった。
本書は、世界各地の「窓」の「ふるまい」を28カ国におよび調査、再評価し、人々の生命感や文化力を復元するものとして「窓」のコンセプトを抽出する。新しい建築空間の創作の可能性を提出しようとする挑戦の書である。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
写真も印象的ですが手書きのスケッチがなんとも味があり、窓辺が実際に使われている場所の生活感や、落ち着き、光、音や風の存在を感じさせてくれます。大まかな寸法も書いてあるので具体的な参考にもなりますね。
(amazonの紹介サイトより)
これはイタリアの集合住宅の窓らしいのですがおそらく地元の人にとっては特に特殊な場所でもなんでもなくてよくある集合住宅のちょっと大きめの窓、ぐらいの認識なのかと思います。ですが「居場所」としてちゃんと空間ができあがっているんですよね。
それに比較して日本の状況はどうなのかと言うと、どう、なんでしょうね。
商品としての住宅サッシは飛躍的な進化を遂げてきていて、機能性や断熱性といった「性能」はかなり高性能になりましたが、『サッシ』の商品としての独立性が強すぎるのか、建築家やディベロッパーが「窓辺の空間」に対して思い入れが無いのか。。なんとなく『窓』と『場所』をそれぞれ別モノとして進みすぎてきているのではないか、と思ったりします。
これはル・コルビュジェが設計した「母の家」の片隅
台の上にちょこんと置かれた椅子でお母さんが窓からレマン湖を眺められるように作られた場所だそうです(ちょっと危ないけど。)。
こんな場所でキラキラと煌く水面を眺めていたら何時間でも気持ちよく過ごせそうですね。しっかりと「どう時間を過ごすのか?」がデザインされた窓辺の空間。
たかが窓、されど窓。
窓は本来はもっともっといろんな魅力を作り出せる場所。
また窓についてそのうち書いてみようかな。
ではでは。
〜おしまい〜
WEB > gimbalworks.com
instagram> https://www.instagram.com/gimbalworks_masakazuimura/
〒486-0912 愛知県春日井市高山町2-11-1
-----------------------------------------------------
井村正和
https://www.facebook.com/masakazu.imura
https://www.instagram.com/imuramasakazu/
-----------------------------------------------------
* 2017.12.1 法人化に伴い井村建築設計から社名をgimbal worksに変更