こんばんわ
能登半島地震から10日以上経ちますが未だに被害の全容が見えてこないようです。
震度は7、揺れの周期が木造住宅に被害がおきやすい周期だった事も被害を大きくした要因としてあるようです。700棟以上の建物が全壊もしくは大破している可能性があるという報道もありました。
古い木造家屋の耐震性を早急にあげないといけません。
「過去の地震でも大丈夫だったから大丈夫」と思いたくなってしまう方も多くいるとおもいますが、いざ何かあった時の損害、命にかかわる被害をリアルに想像してみてみると、、、それを現実にさせない施策はまだまだたくさんあるはず。
悪い方向(リスクを大きく見積もる)でいろいろ考えていくと、もともとは耐震性のあった建物が、老朽化や過去の揺れでの損傷で以前よりも耐震性が落ちている可能性もあります。
年代的にもはっきりと耐震性の弱さは計ることができます。
・『旧耐震』(1981年5月以前)は:「震度5」に耐える事を目的としています。そもそも震度6〜7を想定していません。
阪神淡路、東日本、熊本、そして今回の能登半島地震でも震度7を観測しています。
また新耐震と言われる1981年6月以降に確認申請を受けた建物でも2000年の法改正後の建物と比較すると耐震性は低い、といのが耐震性レベルの位置づけです。
・『新耐震』(1981年6月以降)
震度6強で倒れない様に”壁量”の見直しが図られた。
↓ さらに強化
・『2000年以降の現行基準』
壁量のバランス、基礎の設計、接合部の金物についてルールが定められた。
☆ この「壁量のバランス」がとても大事!
やみくもに耐震壁を配置してもバランスが悪いと意味がありません。一部がカチカチでそれ意外はフニャフニャの物体を揺らすとどうなるか?
→ フニャフニャの所はもちろん揺れに耐えられませんし、境目に応力(力)が集中してそこから破壊が発生してしまいます。
豆腐の端をつかんでゆらゆらさせるイメージ?かな。
そこで現行の木造建築の耐震壁は「四分割方」という考え方を用いてバランスをとるようになっています。
簡単に言うと、建物の端っこから1/4の範囲内に相応の壁がちゃんとあるよね。
というバランスの取り方です。それをX方向、Y方向の2軸で確認します。
揺れる事によって力を吸収していますが、「どうせ揺れるのだったら建物全体で揺れる」事が大事です。
部分に揺れが集中してしまう揺れ方は危険ですよね、物理的に想像しやすい事だとおもいます。
なので、
1.耐震壁の絶対量がまずちゃんとある事。
2.耐震壁が建物全体をバランス良く強くさせる位置にあるか。
という2段構えで計画しましょう!
ですので怖がらせてしまいますが、「新耐震(1981年6月以降)だから大丈夫!」というのはちょっと早合点で、2000年以前だと壁配置のバランスについて考慮されていない可能性がある、ということはちょっと気にしてほしいと思います。
もちろん可能性の話です。
なんか真面目なブログになってしまいました。
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〜おしまい〜
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* 2017.12.1 法人化に伴い井村建築設計から社名をgimbal worksに変更